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2010年9月19日日曜日

非と否

象形。羽が左と右とにそむいた様を描いたもの。左右に払いのけるという拒否の意味を表す。
(5)[助]反対の意や否定の意を表す接頭辞。「非凡」「非常」「非民主的」
(学研 漢字源より)

浪人時代に、非と否の違いについて、習ったことが有る。

英訳するとわかりやすい。

否 = not
非 = no = not any thing

そもそも、文法的に使う場面が違うのだが、

否が動詞の指定している先だけを否定しているのに対して、
非は修飾されている名詞や形容詞の対称を含まない集合全体を表している。

僕はある意味好き好んで、
非平衡の世界に飛び込んだ。

非平衡とは、上記に示したとおり、
平衡でない世界全般を示している。

僕の対称としている研究には、
非定常、非一様性がからんでくる。

簡単に言えば、非が付く名詞と言うのは、
分類分けが不十分なためそうした名称になっている。

エルゴード性や、等重率の原理といった仮定を
第一原理に課すことによって得られる熱平衡
ではない世界が非平衡

時間平均を無限の時間に対して行い、
その統計平均が収束するといった仮定を
しないのが非定常

大自由度系において、物理で言えば分子といった、
ある(自由度の組)単位における挙動の(状態)空間平均が収束するといった仮定を
しないのが非一様

仮定をしない事によって、
第一原理に基づいた結論を得ることにはなるが、
一方で、「XXしがち」といった、
実際に観測された現象に基づいた仮説から逸脱した結論にも到達し得て、

つまり、観測されることによって、研究者間で課題となっている問題を解くというより、
与えられた物理法則の数学的性質の追求に邁進することとなる。

しかし、こういった点に関して
安易な指摘が多々ある。

物理に非ず

という指摘だ。

残念ながら、これは正確ではなくて
本当は、

物理的に否ず

とすべきだろう。

物理の目的は、観測された現象の解釈と、
そこから連想される現象の予言にあると言ってもいいとおもう。

時に物理学者の研究は、現象を背景に、
大鉈をふるって結論を引き出す。

そこで、切れ味のいいナイフを振り回すとどうなるのだろうか。

2009年12月6日日曜日

理論化学研究会の反対声明に対する反論と反対声明原文

理由

事業仕分け内で批判された点に対する明確な答えになっていない。




論点

・仕訳人は意義については賛成である点(引用1)
仕訳人の側が総論賛成であるのにも関わらず、
事業意義を主張していること

・事業計画の妥当性と、仕様変更後の見直しの妥当性(引用2)
計画変更をせざるをえなくなった事業計画は妥当であったのか
大きな仕様変更にも関わらず、どのような点で事業継続に妥当性があるか、明確でない

・科学技術開発と人材育成(引用3)
見直すことが本当に技術開発や人材育成に大きな影響をもたらすのか

・利用者にとっての事業の意義(引用4,5)
見直す事の利用する川にとっての影響
利用審査組織の妥当性
他の開発と比べて10ペタマシン一台を作る意義はどこにあるのか

・緊急性(引用6)
今、急いで開発する意義についての妥当性はどれほどあるのか


理論化学研究会の方々が主張されているのは
利用者にとっての事業の意義についてかと思われますが
批判された点について全く答えられておられません。

報道されている部分的な事実を、
拾い集めて批判されているようにしか見えません。

主張が少し短絡的に思えますので署名はいたしません。


以下引用
いずれも、事業仕分けを文字に起こしたものから

引用元サイト
http://mercury.dbcls.jp/w/index.php?%A1%CA%C6%C8%A1%CB%CD%FD%B2%BD%B3%D8%B8%A6%B5%E6%BD%EA%AD%A1%A1%CA%BC%A1%C0%A4%C2%E5%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%B3%A5%F3%A5%D4%A5%E5%A1%BC%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%B5%BB%BD%D1%A4%CE%BF%E4%BF%CA%A1%CB%A5%C6%A5%AD%A5%B9%A5%C8

引用1=================================================
理研?)私、科学者といいますか、研究者でございますので、研究者としての立場から発言をさせていただきたいと思っております。
 先ほどから例えば費用対効果の話が出ておりますけれども、サイエンスには、費用対効果というのが馴染まないものというのももちろんございます。もちろん、経済効果とかそういうことも必要でございますけども、そういう部分もございます。例えば、基礎科学の分野でいいますと、宇宙のビッグバンは一体どうやって始まったのかとか、鉄以上の元素はどうやってできたのかとか、あるいは星の誕生というものはどういうものかとか。これは、実はこれができるのはシミュレーションだけなんですね。こうした大型…スパコンを使ったシミュレーションだけです。それから、地震のシミュレーションにしてもですね、…

進行役)あのー、その一般論はみなさん共通の認識ですございますので…

理研?)はい。ですからその、そういう…

進行役)これだけのお金をかけて、これを、来年度やる必要性について具体的にお答え下さい。

理研?)ですからこうした、国民に夢を与える、あるいは世界一を取ることによって夢を与えることが、実は非常に大きな、これは、このプロジェクトのひとつの目的でもあり…

48:00

)あの、思いもすごくよく分かるし、国民に夢を与えるものは私たち全員否定しているものでは全然ないんですね




引用2=================================================
)あのですね、平成17年の11月に事前評価があって、プロジェクトの実施が妥当とされたと。そして19年9月に評価があって、複合システムとすることを決定したと。一方で、これまでの今日の話をおうかがいをしていますと、ちょっと、およそ責任が感じられないんですね。
 例えば複合型からスカラー型にうつることについて、ベクトルの影響は限定的であると、最初からそういうことをおっしゃられているわけですね。これは、果たしてほんとうにベクトル型を一緒に含めた複合型でやる必要があったのかと。科学技術会議の判断が間違っていたのか、みなさんのミスリードだったのか、それとも不確定要因があったのか、これははっきりさせていただかなきゃいけないということと、さらに今、競争関係にあるとおっしゃいましたね。これ、当時の科学技術会議の中でも指摘があったと思うんですが、そもそも競争関係にあって、別な企業同士やってることを、無理に複合型でやったこと自体に問題がなかったのかどうなのかと。
 だってもう世の中の大勢はスカラー型で行こうとしている中で、あえて複合型でやって、まあベクトル型は確かに日本のリードしていた分野であったかもしれませんけども、しかし今になって結局複合型が分かれてしまったということについての責任は果たしてこれ、どこにあるのかと。これだけ国費を投入してきて、設計がほとんど終わって今からというときに仕様が変更されるということについて、これは非常に疑問を感じざるを得ないと、いう意味では、やはり計画、やっぱりもういっぺんこの総合科学技術会議に戻すなり、内部の評価委員会ではなくて、戻すなりしてもう一回再検討するのが、私はやっぱりこれ、筋ではないかと思うのですが。
 今のいくつかの疑問にお答えをいただいて、また最後の要望というか提案に対してどうお感じになられるかということをお願いいたします。




引用3=================================================
)えっと、見直し…立ち止まって見直しをした方がいいと思います。当初の目的をどれほど達成しているのかどうか、NECが途中で抜けたことも含めて、無理がなかったのかどうか、等々いっぱいあると思いますよ。
 人材育成というのはみなさんは、利用者だけのことじゃなくて、作る人の人材育成、ある種の継承性もあるわけです、そこも含めて何ら考えていないような気がする。要するに、1社だけ残ったところで、残りの2社は全然コントリビューションしてないわけでしょ。その観点からいうと非常に大きな問題だと私は思う。ですから私が思うのは、一度立ち止まって、一年ほどかけて見直しをやるということが必要じゃないかと思いますね。一番効率的…これは(…)と違って、止めたからといって、技術は残りますから、それを使って、性能は落ちるにしろ、作って、使ってもらう。
 例えばベクトル機は排除ということになりましたけど、たとえばIPCCでコントリビューションあったからって3年後やるために、やっぱり今、プログラムが書けないと大変ですよ。書き直した結果が正しいかどうかという検証も含めなきゃダメだから、そう簡単にはいかないんですよ。だから同じ機械があって、使ってやった方がよっぽど楽ですよ。そうやってトータルとして研究者の時間の価値を考えると、できるだけ少量の、効果的な方法とマシンを入れてやるってのはありますからね。そこを含めてちゃんと見直した方がいいかと思いますが。というのが私の意見です。




引用4=================================================
)だから研究の場合には、これがないからって日本の研究が全部ダメになるわけじゃないわけでしょう。IPCCのなんとかで日本のコントリビューションがなくなるわけじゃないし、たとえばここに書いてるような、自動車の衝突実験やるときに、このコンピュータ使わなくたって、今までのやつである程度はできるわけだし。もうあらゆることがね、これができなけりゃ全てダメになるって話じゃないわけですよ。だからその、科学としてここまでやるから、これがないとダメなんだという言い方はおかしいでしょうと言ってるわけね。で、今あなたがおっしゃったように、まさにそうなんだから、別にこのプロジェクトを一回立ち止まって見直したって、日本の国益にとってなんのマイナスにもならないでしょうということです。



引用5=================================================
 で、それとまず使わせ方について。一般利用者集めると、課題選定組織みたいなのを作って、そこに選定させようとしてますけどね、それはまず、課題審査をやるときに、審査員の方々やられますね。その方がたとえノーベル賞を取られた方としても、なるほどその分野についてはよくご存知かも分かんないけども、研究というのはなにが化けるか分からないんですよね。だから学識経験者が正当に判断できるかどうか疑わしいところがあるわけですよ。その点大型センターがうまくいったっていうのは、ただお金があれば、交通整理的な利用料金しか取ってませんから、非常に少額ですよ。だから、民間の企業だと10倍とか100倍ぐらいかかるんで、ほんとうに少ない金額です。ほんとうにやりたいという意欲があれば、意欲ですね、ないとだめですよ、あれば、できる状況にあるんですね。
 で、ペタみたいな1個だけ。あ、もうひとつ、複数のセンター作る部分の問題は、デバッグやるときに、やっぱりフルコースで使わざるをえんわけですよ。その間、本来の計算が止まるんですよね。そういうことがあって、複数個があってやると、実際使うときに10ペタあったとしてもですね、そんなん使うことまずない。1ペタを10台に分けてやった方がよっぽど(お金?)、みなさん助かるということにはなるんだと思いますよ。
 それで、見ててですね、現場というか、こうやれば日本のインフラ整備、あるいは外国に互して、競争できるような人材を輩出するような形のね、構図になってないような気がするんですよね。それが私の感じるところ。それでいずれにしろ、その…
(東大 金田康正教授)



引用6=================================================
)あのー、ひとつだけ。これは国民目線から見た場合非常に分かりにくい議論になると思うんですが、これを基礎研究とした場合に、このスパコンを作るというのはかなり労働集約型の気がするんです。すいません、私素人だから間違っているかもしれません。普通のノーベル賞だとか、画期的な技術開発っていうならまだ分かるんですが、これはかなり労働集約型、それで金田先生がおっしゃったように、一定のところで蓄積があるならば、それは別に死なないと。
 それから、世界一を取らなきゃいけないというけれど、日米の競争があるっていったら、じゃあドイツだとかフランスだとか、その他のヨーロッパ諸国はどうなんだろうかっていうと、そこの企業も全部潰れちゃうのかっていうと、そんなのはないだろう。ということは、日本の全ての企業が大ダメージを受けるということでもなさそうだ。というようなことだと、やはり積み上げ型で、どうしてもこの時期にやらなきゃいけないというのがやっぱり見えないんですね。もう少し遅くたって積み上げ型だったらできるんじゃないか。
 そのときで、もし…いや、お金があれば今やるべきだと思います。ただ、お金がないときだからこそ、ちょっとそのスピードを遅らせるのか、あるいはいったん見直しながらもっと効果的なものをやるのか、あるいはアメリカの開発を一番を取らなくてもいいからその一番を見ながらその次のステップを考えるのか、やっぱり一回見直すべきじゃないかなというのが、こう、まあ素人的に見てですね。特にこれは労働集約型だなあと思うので、そう思うんですが、そのへんはいかがでしょう。


> ----------------------------------------------------
> 文部科学省
> 副大臣 中川正春 様
> 政務官 後藤 斎 様
>
> われわれは「次世代スパコン開発計画の凍結」に反対いたします。
>
> スパコンは科学技術の要の一つであり、国民の生活に直結する最先端科学技術
> に欠くことのできないものであります。米国は長年にわたりスパコン開発に積極
> 的な投資を行ってきましたが、我が国においても、国の支援と産業界の努力に
> より、米国と並ぶ世界最先端の技術を維持すると共に、大学研究機関に最先端の
> スパコンを配備して優れた成果を上げてきました。現在、最先端技術は厳しい
> グローバルな競争にさらされておりますが、その維持・開発を一度中断すること
> は中止・撤退に等しい影響があります。
>
> また、日本の理論化学・計算化学の研究は、伝統的に世界的レベルにあります。
> それは、1981年の福井の「フロンティア電子理論」に対するノーベル化学賞受賞
> や、昨年の諸熊の「分子の構造・機能・反応設計に関する理論的研究」に対する
> 恩賜賞受賞を頂点とする卓越した業績からも窺い知ることができます。理論化学
> 研究会は、こうした研究成果を引継いで、現実の化学物質や化学反応を理論計算
> に基づき研究する研究者の団体です。実験化学の技術的な進展とともに、理論化
> 学
> ・計算化学においてもその研究対象はますます複雑になり、大規模なものとなっ
> て
> います。これまでの世界レベルで最先端の研究力を維持しつつ、一層の展開を
> していく上で、高性能スパコンは最大の武器となります。
>
> こうした学術的な背景からも、次世代スパコン開発計画は、平成17年度より総
> 合
> 科学技術会議をはじめとする政府の様々の委員会、審議会において、多くの専門
> 家
> と一般委員を交えて審議・検討が行われ、国の基幹技術として推進が定められた
> ものです。今回の事業仕分けでは、そのような議論の積み重ねと推進理由が考慮
> されず、費用対効果や「世界一である必要はないのではないか」といった極めて
> 表層的な、しかもわずか一時間の議論により結論が出されています。我が国の国
> 家
> 水準および学術・科学レベルのこれ以上の低下を喰い止めるためにも、また未来
> に
> おいて大きな禍根を残さないためにも、賢明で的確な判断が求められます。政府
> は、
> 本計画の重要性を再認識し、参加企業の一部撤退を乗り越えて世界最高性能の
> スパコンの開発・整備を推進するため、より一層強力に本計画の推進を図るべき
> だと考えます。
>
> 理論化学研究会 第三期世話人
>
> 北海道大学・  教授・ 武次徹也
> 東北大学・   教授・ 河野裕彦
> 早稲田大学・  教授・ 中井浩巳
> 名古屋大学・  教授・ 長岡正隆
> 分子科学研究所・准教授・信定克幸
> 京都大学・   准教授・佐藤啓文
> 大阪大学・   教授・ 中野雅由
> 岡山大学・   教授・ 田中秀樹
> 九州大学・   教授・ 中野晴之

2009年11月18日水曜日

事業仕分けの録音

文科省の科学技術政策に対する事業仕分けの結果です。

予算削減が多いので、批判が増えているようですが
そう単純な問題ではないかと思います。

文部科学省の事業仕分け結果に対する意見公募

事業仕分けの資料、結果と評価コメント

科学技術政策に関する事業仕分けの総合wiki


(独)理化学研究所(1)(次世代スーパーコンピューティング技術の推進)(文部科学省)


評価結果pdf


(独)理化学研究所(2)(大型放射光施設(SPring-8)、植物科学研究事業、バイオリソース事業)(文部科学省)


評価結果pdf


(独)海洋研究開発機構 (深海地球ドリリング計画推進、地球内部ダイナミクス研究)(文部科学省)


評価結果pdf


競争的資金(先端研究)(文部科学省)





評価結果pdf


競争的資金(若手研究育成)(文部科学省)


評価結果pdf


競争的資金(外国人研究者招へい)(文部科学省)


評価結果pdf


地域科学技術振興・産学官連携(文部科学省)


評価結果pdf


(独)科学技術振興機構(理科支援員等配置事業、日本科学未来館)(文部科学省)


評価結果pdf


(独)宇宙航空研究開発機構(1)(GXロケット)


評価結果pdf


(独)宇宙航空研究開発機構(2)(宇宙ステーション補給機(HTV)等)


評価結果pdf


競争的資金(その他分野特定型(原子力システム研究開発事業、先端計測分析技術・機器開発事業))


評価結果pdf


競争的資金(ライフサイエンス分野)


評価結果pdf


競争的資金(女性研究者支援)


評価結果pdf


研究環境国際化の手法開発


評価結果pdf


2009年2月1日日曜日

自然は常に

自然は常に自然法則をシミュレートしている

科学において重要なのは、
我々の脳が、汎用的な知識体系を求めているところにあり
結局のところ、
その汎用的な知識を、論理を用いて探り当てることにある

2008年11月22日土曜日

科学と研究

**以前 Life of Study で書いたものを少し改良**

◆はじめに
前回は「科学とは」という問いに対して「思考様式である」という結論を導いました。
詳しくは前回「科学とは」を参照を参照してください。

今回の話は、前回の続きで、その研究手法についての話です。
科学は、現象に依拠した原理を立てることによって、合理的に説明すること
と話しましたが、今回は

「現象」とは何なのか、
「原理を立てる」とは何なのか、
「合理的に説明」とは何なのか、という話です。

ここでのキーワードは帰納法と演繹法です。

◆準備
帰納法と演繹法を理解するうえで重要なキーワードは「必要十分条件」の理解です。
必要十分条件とは、必要条件が成り立ち、なおかつ、十分条件が成り立つ条件のことです。


では必要条件とは何だったのだのでしょうか。

必要条件とは、

任意の(ありとあらゆる)集合Aにおいて、
(ある〔集合である〕事象(評価する対称)Bが存在して、その)
事象Bが、集合Aを含む時、
事象Bに対して、集合Aが必要条件であるという。


十分条件とは何だったのでしょうか。

十分条件とは、

任意の(ありとあらゆる)集合Cにおいて、
(ある〔集合である〕事象(評価する対称)Bが存在して〈ここまでは同じ〉その)
集合Cが、事象Bを含む時、(逆になってることに注意)
事象Bに対して、集合Cが十分条件であるという。


簡単に言ったら、集合の元(要素)の数は
A<B<C
(等号を含む)になっています。(お分かりいただけたでしょうか…)


◆歴史的背景
近代科学が生まれたのは、間違いなくヨーロッパです。
そのヨーロッパにおいて、大きな派閥が存在しました。
イギリスとフランスにおいてのことです。
彼らは、帰納法と演繹法という二つの手法のどちらが、
科学をするうえで正しいのかという点で、争っていました。

帰納法とは、様々な情報や経験を元に
自然法則を見つけようという視点です。

演繹法とは、様々な仮説を元に、
自然法則を説明しようという視点です。

この争いは、実は両方を用いることが正しいという決着を得ました。
すなわち
帰納法とは実験であり観測あり、
演繹法とは理論であり仮説であります。

ここに近代科学の基礎ができたといっていいと思います。

◆科学の中の必要十分

この争いは、実は両方を用いることが正しいという決着を得ました。
すなわち
帰納法とは実験であり観測あり、
演繹法とは理論であり仮説であります。

と申し上げました。
では具体的な、研究過程とはどのようなものなのでしょうか。

帰納的な研究、つまり実験や観測によっては、正確に現象を捉えることができても
その背後にある、要素にまで迫れません。

演繹的な研究、つまり理論や仮説を立てることによっては、現象を説明することができても
机上の空論、つまり、実際にそうであるかという部分が欠けています。

ここで持ち出したいのは、
冒頭で述べた、必要と十分です。

実験や観測によって、現象に迫る手法は、
観測結果が、ある現象を「含んでいる」ことはわかっても、
その現象だけであるとはいえません。

例えば、時間と位置と温度を測定したとしても、
実際に、現象に関わるものがそのうち二つしかない(実際にはそれすらわからない)と
情報過多になり、何が本質かを見極めなければなりません。

ほかにも、観測したい粒子の位置情報を得るときに、
できれば一つの粒子の情報をずっと追い続けたい
けれども、観測する為には、沢山のほかの粒子も観測しなければ測定できないことがあります。
これはつまり、統計的な観測しか出来ない状況で同じく情報過多ですね。

つまり、現象よりも大きな事象を観測したことになるのです。
これは必要十分における、
事象に対しての十分条件に他ならないといえます。

理論や仮定によって、現象に迫る手法は、
それらの仮説によって成立した事柄から、ある現象の「要素(らしきもの)を特定できた」といえても、全ての要素が捕らえれたわけではありません。

もしそうならば、この世の中の根源的な物理法則を見つけたことになります。

つまり、実際の現象よりも小さな事象を説明したことになるのです。
これは必要十分における、
事象に対しての必要条件に他ならないといえます。

簡単に言ったら、集合の元(要素)の数は
A<B<C

といいましたが、
研究において、
(理論)<(現象)<(実験)

であり、より現象に迫った理論や実験をすることによって
真理に迫ろうというのが科学的研究手法です。

◆科学と必要十分から何が言えるのか。

この研究手法は、もちろん科学的です。
つまり、原理原則を、現象に依拠することによって
覆す可能性があるのです。

しかし、実際には覆すという言い方は正しくないかもしれません。
前回も、特解であると言いましたが、

ある仮説が、ある事象を説明できたと言うことは
(仮説で立てた)要素自体は含んでいたことになります。

したがって、それまで立てられた理論を、
もう一度、新たな要素を含む(またはより根源的な要素を仮定する)ことによって
理論を立て直す必要が生まれます。
これによって、それまでの視点が覆る(新たな要素を入れる必要がある)
可能性があるということなのです。

少し首尾一貫していませんが、
仮説から理論を導くので、
仮説が十分現象を捉えきれていなければ、
理論が間違っているということがあるということに、
注意してください。

科学は厳密に現象を捉えることは可能ですが、
理論から生まれた、科学的知識が、普遍性があるとは限りません。
むしろ、正確な議論ほど、
「~である可能性が高い」「~と考えられる」といった、
現象に対する謙虚さが必要になります。

それは、あくまで我々が「説明している」現象は、
仮説をもって「説明している」のであって、説明し切れているとはいえません。
ただ言える事は、ある程度の「確からしさ」をもって「説明している」出来ている
ということでしょう。

「買ってはいけない」と断言することは言語道断ですし、
「買ってはいけないは買ってはいけない」と言うことも言語道断です。
そもそも、断言できるほどの知識など、人間は持ち合わせていません。
あくまで、可能性があると言うのが正確な議論になります。

この点を勘違いされている方が多いと感じています。
ご注意ください。

◆おまけ

ちなみに、こうやって議論をすること(論を述べること)は
一般に、必要条件を繰り返し用いています。

つまり、Aが成り立てば、Bが成り立たなければならない
という話の仕方をしています。

皆さんが、あっ!そうだなと感じた時に、
つまり、経験と照らし合わせて、それに合致したときに、
必要十分に近づきます。

しかし、人間の現象を捉える「感度」は、
変化に対して敏感なのは確かめられているようですが、
それが、正確に現象を捉えることに繋がらない(基準がそのつど変わる)
ので、必要の部分がいくら正確であっても、
十分性を人間の感覚に頼るのは危険です。
ご注意ください。

(と言ってしまうと、この議論すら無意味意なるのですが…)

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この内容の論理記号を用いた具体的な標記が存在します
何分、論理記号を用いている為、掲載できません。
読みたい方はご一報ください。
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